日本の障がい福祉は、2003年の支援費制度の導入以来、大きく変わることになりました。障がいのある人もない人も誰もが地域の中で安心して暮らせる仕組みづくりに大きく政策転換が図られてきました。何よりも急速な少子高齢化、団塊世代の2025年問題という人口構造や社会経済状況を背景に、今後利用者の重度・高齢化や訪問系サービスに対するニーズの一層の増加が見込まれます。
今回発表された平成30年度の報酬改定の内容には、こうした課題に対して今後の施設の方向性を読み取る事ができます。特に重度者に対する加算の強化・65歳問題をふまえた共生型サービス拠点の必要。地域生活拠点の機能強化と加算の新設。又、児も含め、各事業所のサービス提供時間の精査。就労分野では、移行実績に加え定着実績に応じた評価。B型の平均工賃別報酬等。支援実績がより重視され、費用対効果が強く打ち出されたものになっています。今回の改定は前述した社会経済状況の中で、より現実的な路線に国が大きく舵をきったものと言えます。こうした施策のあり方については、議論の分かれるところですが、私たち施設事業者も従事者もコスト意識をもち、提供する支援のあり方を不断に見直し、質を高めていく努力が社会の公器としての私たちの責任であり、当協議会の使命ではないかと思います。